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281 雑記館 No.19 笠取線探索ツー
走行日:2006年9月21日(晴/雲)
2006年09月21日 13時23分

林道仲間のツバキッキさんから笠取線の情報をいただいたのでカズさんと共に探索へ出てみることにしました。

笠取線は国道411号から分岐している林道です。
塩山市(現在は甲州市)の柳沢峠を約200mほど丹波山村方向に下った場所にあり、ここには大きな標識が出ているので直ぐに気がつくと思います。

入り口の標高は1460m前後といったところでしょうか。盆地から上っていくと随分と気温の差を感じます。

13時29分

笠取線の入り口から約2.0km。
全線舗装の道を進んでNTTドコモの柳沢無線中継所へと到着です。
ここは三窪高原への登り口にもなっており、左手にはNTTドコモの管理道路が分岐しています。
ただこの管理道路は入り口にしっかりとしたゲートがあるため車輌で入ることはできません。三窪高原へ登る歩行者のみが通行を許されており、ゲートの横にはその旨を書いた看板も出ています。

管理道路を下ってきた人に話しを訊いたところ三窪高原までは徒歩で10分くらいとのこと。途中では素晴らしい景色が広がるそうです(道路横のスペースに車を停められますが、それが駐車場かどうかは知りません)。

13時32分

無線中継所をあとにして更に先へと進みます。

路面は無線中継所を境に未舗装路となりますが、非常にフラットなので4輪の2駆車や2輪のオンロード車でも支障となるようなことはないでしょう。
13時36分

無線中継所から約1.9km。
深静峡、地図によっては森泉郷とも書かれている場所へ到着です。

ここは心霊スポットとしても知られている場所ですが、一帯は広く山が切り開かれており割と明るい雰囲気です。
13時45分

探索を始める前にまずは腹ごしらえ。
近くの空き地でお湯を沸かしカップラーメンを啜ります。
14時25分

40分ほど休憩して探索開始。
深静峡はバブル期に開発されたリゾート地だそうですが、観光的な要素が少なく時代の変化とともに閉鎖へと至ったようです。
今でも道だけがあちこちから様々な方向へと分岐していますが、そのどれもが荒れたまま放置された状態で叶わなかった夢のあとのような物悲しさが伝わります。

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14時34分

2005年に放火され焼失してしまったという施設。

かつては宿泊施設を兼ねた管理棟だったそうですが、いまは鉄骨の骨組みだけとなって無惨な姿です。
焼失前はこんな感じ。

一説には管理人室で殺人事件があったという噂もありますが真偽のほどは知りません(ちょっとウソっぽい)。
ただ周囲の荒廃ぶりと合わせそんな雰囲気も充分に漂います。
※写真はツバキッキさんからいただきました。
15時18分

約50分を掛けて深静峡を一廻り。
ここからはいよいよ今回の目的地である白沢峠へと向かいます。

写真は倉掛山中継局。
白沢峠への道はこの施設を北へと向かいます。
場所的にちょっと分かりにくいかもしれませんので位置は下の地図連動型マップで確認してください。にマウスを載せてると18ヶ所の場所を表示します(要IE5.5以上)。

15時19分

途中にはヒルクライムもあります。
時間的に余裕のある方は上ってみるのも面白いかも。
15時22分

路面には刈り取られた下草が堆積しています。
ということはちゃんと管理されているということ。堆積した厚さからみても、放置状態だったら相当な草で覆われていたことでしょう。管理なされている方の尽力に感謝です。
15時25分

場所によっては狭い道も現れます。
走り幅としては50センチくらいでしょうか。

15時26分

大きめの石や落石などもあちこちに転がっています。
道幅の狭い落下道なのでハンドルを取られないよう慎重に進みます。
15時31分

周囲は鬱蒼とした樹林帯。
陽射しも殆ど射さない薄暗い道が続きます。
15時32分

おっと倒木です。
下側の僅かな空間を潜って進みます。
15時52分

いちめんコケむした沢。

カズさんは「なんだか幻想的。この雰囲気いいですね」などと絶賛していましたが、自身は「そうか?ちょっと薄気味悪く見えるけど」と思ってしまいました(笑)。
16時07分

約50分ほど掛けて白沢峠へと到着。

白沢峠は開けた空き地になっています。
その広さは南北に長く、約30mx50mくらいでしょうか。
周囲は全て樹林帯に覆われているので景色的なものはありませんが、そのほぼ中央に白沢峠の名物であるフォード製トラックが廃棄されています。
自身は最近まで知りませんでしたが、このトラックは林道派の人間には有名なようで、ちょっと検索しただけであちこちのウェブに出てきます。
16時08分

後ろ側から見るとこんな感じ。
進入路はトラックの左前方に見える空間です。
16時09分

トラックの荷台には木が生えています。
一見すると荷台から生えているようにも見えますが、実際には荷台を貫いて地面から生えています。
さてここからの道は、
トラックの奥から上っていくヒルクライム、空き地の左側から下る道、右側の下る道とヤブ沢峠への上り道、
の4つです。

今回は白沢峠が目的地だったので「ここからどうします?」と訊くと、「もっと先まで行ってみたい」というカズさん。

ということで、ここからは更に北のヤブ沢峠へと向かいます。
補足)
白沢峠の左側から下っていく道は白沢に沿って国道140号まで続いていくようですが地図上では破線です。国道140号の白沢橋側からも白沢峠へ上っていく道があるので恐らくここに繋がるものと思われますが、僅か500mの区間に230mもの高低差となっている場所があるので車輌では不可能なのかもしれません。
16時15分

さてヤブ沢峠へと向かいます。
ちなみにヤブ沢峠へは空き地の右側にある上り道へと進みますが、林道仲間のエノさんによると下って行く側の道は途中からバイクもUターンできないほどの細い道となり、尚かつ倒木で抜けられないという悲惨な結果が待っているそうです。
場合によっては戻るに戻れないこともあるようなので下らない方が無難だと思います。
午後16時17分

ヤブ沢峠への道も白沢峠までの道と変わりません。周囲は厚い樹林帯に覆われおり薄暗い道が続きます。
16時20分

と、また倒木。
こちらの倒木は先ほどより更に隙間が狭く、小型のシェルパでもかなり傾けないと潜り抜けることができませんでした。
16時24分

暫く進んだ切り通しの道。
両側には背丈より高い土壁が寄り添います。
写真では広く見える道幅も路面はU字型。実際の走り幅としてはそれほど広くありません。
16時26分

2台目のフォードトラック。
道から落ちかかった状態で廃棄されています。
16時38分

白沢峠から約4.1km。
突如現れた広い分岐道。
ここまでにも分岐している道はあったのですが、そのどれもが狭くて先の分からないような道ばかり。それに対してこの分岐道は明らかに車の通った形跡がみられます。

同地点には東京都水道局の杭が立っており、そこに書かれた表記によると標高は1636mだそうです。

帰りはこの分岐道を下って一ノ瀬高橋地区へと抜けました。
16時42分

分岐点を過ぎると割と広い道が続きます。
16時50分

ヤブ沢峠へ到着。
白沢峠からここまでの距離は約6.4km。
同地点も分岐点になっており、進行方向から見た右手に一之瀬地区へと下っていく道が分岐しています。

が、ここは下らない方がいいと思います。
理由は後ほど。。。
ヤブ沢峠の標識。

柳沢峠17km
笠取小屋を経て水干2.3km
作業平口2.9km

当日はうかつにも深静峡から白沢峠までの距離を測り忘れましたが、ここに書かれている距離から逆算すると、

17km−(0.2km(柳沢峠〜笠取線入口)+3.9km(笠取線入口〜深静峡)+6.4km(白沢峠〜ヤブ沢峠))

となり、深静峡から白沢峠までの距離はおおよそ6.5kmくらい、ということになりそうです。
17時1分

ヤブ沢峠から約900m(周辺案内板では800m)。
笠取山1953mへの登り口となる笠取小屋へと到着です。


17時2分

笠取小屋の標高は1776m。
周辺案内板によると、笠取小屋から埼玉県境までは北へ約600mだそうです。
もう少しで県境越えとなるところですが、ここから先は登山道と思えるのでこれ以上は行かない方がいいでしょう。
17時3分

ちなみに笠取小屋を含め、この稜線に建つ小屋の多くは大正以前に失われた森林の再生を目的として東京市が建設したものだそうです。
当時は造林小屋として活用されていたそうですが、林道の整備よって管理を地元に移管。現在は個人の方が管理なさっているそうです。

17時9分

さて笠取小屋でUターン。
ここからは一之瀬地区へと下ります。
当初はヤブ沢峠からの分岐道を下っていこうとしたのですが、、、
17時11分

ヤブ沢峠からの道は狭くて勾配の大きな下り坂。
もしこの先に通り抜けできない場所があったらUターンも難しそう、ということで違う道から下りることしたのですが、既に道幅の狭さに転回もままならない状況。

結局ここでバイクをUターンさせるのに5分近くもかかってしまいました。
17時24分

前記した白沢峠から約4.1km地点の分岐点。
車の通った形跡もあり、最も安全だろうと思われるこの分岐点から下っていくことにしました。 
17時30分

ただこちらも勾配の大きい下り坂。
場所によってはスイッチバック形式となった180度ターンも現れます。
17時35分

路面の荒れている場所もありますが、道幅が広いので安心して下れます。
17時40分

分岐点を下ること約3.3km。
もうそろそろ何処かに出るだろう、と思っていたら突然ゲートが出現。しかもゲートには南京錠が掛かっており、横は通り抜けできないよう針金が張り巡らされています。

ここまで何処にも通行止やゲートの看板がなかったので突然のゲートに意気消沈。すでに辺りも暗くなりだしており、ここで引き返しても途中で真っ暗になることは必定です。

暗闇の中あの道を戻るのか、、、とちょっとため息。
しかし諦めきれず鍵をガチャガチャしていたら、、、
17時41分

開いた。。。

よくあるパターンですが、南京錠は引っ掛けてあるだけでロックされていない状態でした。
で、ゲートの逆側に出ると「作業道につき一般車進入禁止」の看板。

あらら、、、、進入禁止の看板はこちら側に出ていたんですね(汗)。。。

もう下ってきてしまったものは仕方がないので、抜けたあとはゲートを元の状態に戻して進みます。
17時43分

ここは何処だ?。。。

一之瀬地区だろう、とは思いましたが、暫く進んでもハッキリとした場所が特定できない状況。
と、そんななか前方にキャンプ場らしき場所。

なるほど、一之瀬地区のキャンプ場か、とやっと納得。
17時50分

犬切峠への分岐点。

ここを左折(進行方向から見て)して行くと犬切峠です。
この時点に至ってやっと場所の特定ができました。
17時56分

犬切峠への分岐点から約2.3km。
塩山市落合地区の国道411号と接続。
T字路の左右の道が国道411号で、左へ曲がると直ぐに落合橋です。その先は丹波山村方向へと続いていきますが、今回は右折して柳沢峠側へと進みます。
18時11分

国道411号を右折して約5.6km。
再び笠取線の入り口へと戻ってきました。これで1周してきた形です。

うかつにも深静峡から白沢峠までの距離を測り忘れてしまいましたが、笠取小屋までの往復を含めて1周に掛かった距離はおおよそ33.4kmといったところでしょうか(深静峡内で彷徨った距離を除く)。
19時43分

最後は山梨市でラーメンを食し県道6号で散会。自宅への帰着は20時20分ころとなりました。

途中からは陽射しも陰り、やや肌寒い1日となりましたが探索ツーとしてはお腹いっぱい。

お付きあいいただいたカズさん。情報をいただいたツバキッキさんにエノさん。GPSのデータを送っていただいたAIさんに感謝いたします。

食べる前に撮り忘れたので空の器、、、まっ、いっか。

(了)
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