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ここからはページ1の続きです。 登山日:2008年5月27日(晴)
九十九折りの坂が終わるころには進路も北へと移ります。このころになると道幅は一気に狭まり、場所によっては歩き幅が1mほどの場所も何ヶ所かで現れます。また女岩までとは異なり、左右どちらかが谷となっている場合も多いので気をつけて歩きましょう。といってもよほど余所見でもしない限り危ないようなことはありません。
狭い道は暫く続きます。谷沿いの道は徐々になくなっていきますが、それと同時に少々不明瞭な道も現れます。道が判らなくなるようなことはありませんが、当日は覆い被さっている藪を手で払いながら進む場面も何度かありました。このため景色的なものもなく、後方を振り向いた時に、木々の間から甲府盆地を僅かに望む程度です。枝葉がなければもう少し見通せそうなので、冬場なら或いはもう少し見られるのかもしれません。  後方の甲府盆地     元の写真に戻す  
ウォーリーを探せ!写真左の前方から人が下ってきましたが分かるでしょうか。ここは非常に勾配が大きくなっており、右に左にと何度も切り返しながら登ります。個人的にはこの辺りの坂が最も厳しく、50mくらい歩いて一息を何度も繰り返したように思います。そしてその坂道を上り終えると、後方に僅かながら敷島町方向と思われる景色(写真右)が広がります。
その景色を見ながら暫く登っていくと、前方になにやら標識が見え始めます。標識の手前はかなりの急登になっていますが、その坂を登っていくと登山道が二又路に分かれます。標識には「←茅ヶ岳」「↓韮崎」「敷島→」となっており、左へ進むと茅ヶ岳へ、右へ進むと旧敷島町へと向かうようです。  現在地マップ     元の写真に戻す  
茅ヶ岳への道は尾根道ではありませんが、敷島町方向への道は尾根上に道が続きます。敷島方向へ行けば景色が広がりそうな気がしたので、ちょっと寄り道ではありますが入ってみることにしました。入り口の歩き幅は50センチ程度でしょうか。少々狭く感じますが、10mも進むと1m幅くらいまでに広がります。
そして分岐点から約40m。前方に岩場が現れ、その横に立つと爽快なパノラマ景色が広がります。景色としては正面に国師ヶ岳2591.8mや金峰山2598mなどの県境の山々。その手前に曲岳(まがりだけ)1642.4mや観音峠、更には旧敷島町平見城の畜産団地や観音峠のアンテナといった景色です。なおこの観音峠側からも茅ヶ岳への登山道が上り、こちらを敷島口コースと言うようです。登り口はアンテナ近くにあり、観音峠大野山線を上っていくと左手に看板が出ています。  畜産団地と観音峠アンテナ近景     写真上の拡大  
また南側に目を転じると、木々の間を通して甲府盆地を望みます。正面は昇仙峡へ上っていく県道7号や敷島総合公園で、その奥は中央市や甲斐市といった街並みが広がり、釜無川や富士山なども見られます。  写真右の拡大  
さて分岐点まで戻って再び茅ヶ岳の山頂を目指します。残念ながら直ぐ北東側に位置する金ヶ岳1764mは茅ヶ岳の山陰に隠れているので見ることは出来ませんが、目指す茅ヶ岳の山頂(写真上)は目前で、その約3分後には「深田久弥終焉の地」へと到着です。ここには石碑が建っており、その向こうには深田氏が奥秩父一と称した金峰山を望みます。ちなみに深田久弥氏というのは作家で、日本百名山の著者として有名です。昭和46年3月21日に茅ヶ岳へ登山中、同地点で脳出血により急逝したそうです。
   深田久弥と茅ヶ岳の案内板     現在地マップ     元の写真に戻す  
深田久弥終焉の地から山頂までは100mから150mくらい?でしょうか。もう大声を出せば届くかもしれないような距離ですが、勾配が大きいので自身のような貧脚ではなかなか進みません。場所によっては岩場を越えていくような場所もあるので、運動不足の人では少々苦労させられると思います。
最後の岩場で振り向くと、後方となる北東方向から南方向にかけての大パノラマを望めます。分岐道で見た景色とそれほど大きく違うわけではありませんが、北東方向に金峰山、正面に太刀岡山1295m、その右手には下帯那町の千代田湖や甲府市中心部、更には県立科学館の建つ愛宕山423mなどといった景色を望みます。  写真下の拡大     写真上中央と写真上右の拡大  
もう山頂までは残り50mくらいでしょうか。最後の岩場を登っていくと再び樹林帯の道となり景色的なものは閉ざされます。しかし徐々に前方の木々が切れ始め、この辺りまで来ると山頂が近いことをうかがわせます。
そして登り始めて約1時間44分で山頂へと到着です。台状に開けた山頂の広さは15m四方くらいでしょうか。1キロほど離れた北側には金ヶ岳を望み、その左側背後には八ヶ岳が顔を覗かせます。  写真下の拡大  
上の写真は360度のパノラマです。前記したように北から東にかけては奥秩父の山々、東から南には富士山3776mや甲府盆地。更に南から西にかけては旭山1037mや甘利山1731mを始め、薬師岳2780m、観音岳2840m、地蔵ヶ岳2764mなどの鳳凰三山を望みます。  360度パノラマ拡大     対面の荒倉山方向から見た茅ヶ岳     対面の旭山方向から見た茅ヶ岳  
山頂の西端に立つと、対面となる西側に鳳凰三山や甲斐駒ヶ岳などを一望。その下には白根町や韮崎市、明野町や高根町といった町並みが広がっています。
一方、北から北東にかけては正面に金ヶ岳、その右側に奥秩父の山々を望みます。金ヶ岳への登山道は山頂の北側に標識が出ているので直ぐに分かります。標高は茅ヶ岳が1704mで金ヶ岳が1764m。その差は60mですが、1度1600mくらいまで下ってから再び登っていかなければならないので更に1時間くらいかかるようです。金ヶ岳の方が高いのにも関わらず茅ヶ岳の方が有名なのは、やはり深田久弥氏の影響が大きいのでしょうね。  写真下の拡大  
なお北東側には途中の分岐道でも見下ろした観音峠や観音峠のアンテナを望み、その横からは林道奥山線が林道小森川線へと下っていく様子が見られます。また更に東から南方向へと目を転じると、甲府盆地や富士山も見られます。  写真左と写真中央の拡大  
山頂に到着して1時間ちょっと。そろそろ下山することにしますが、ここからのコースとしては、登ってきた道を引き返す、金ヶ岳方面へと向かい途中の分岐路を曲がって観音峠へ下る、千本桜公園を経て前山大明神林道へ下る、という3つのコースです。ただマイカーの方は観音峠へ下ってしまうと車が困るので、登ってきた道を引き返すか、千本桜公園へ下るかのどちらかになると思います。
千本桜公園線への道は途中が尾根道になるそうですが、千本桜公園に着いてからも駐車したオートバイまでは約5キロの林道歩きをしなければなりません(深田記念公園までの場合は更に約1.1キロ)。ということで自身は登ってきた道(写真上左)を引き返すことにして15時37分に下山開始。15時48分に分岐点(写真上中央)を通過して16時13分に女岩(写真上右)へと到着です。下り坂なので楽だろうと思っていたのですが、大きな勾配に悪戦苦闘。女岩へ着くころには膝が笑っている始末でした。そして約1時間12分かかって前山大明神線(写真下右)へと到着です。
千本桜公園側の登り口↓
さてこちらは林道千本桜公園線の入り口。千本桜公園側から登る場合は、林道前山大明神線の起点から約4.3キロ地点(写真左)まで進むと、林道千本桜線が右へと分岐しています。3年前までは車輌で千本桜公園まで上って行くことが出来たのですが、現在は残念なことにゲート(写真右)が出来てしまい車輌で行くことは出来ません。  ゲートの拡大 (2枚)  
林道千本桜線の長さは1851mで全線未舗装路の林道です。千本桜公園は林道千本桜線を上り詰めた先にあり、その広さは1万6257平方メートル。尾根を切り開いただけの公園ですが、敷地内には展望台と4基のベンチが設けられており、展望台からは甲府盆地や富士山を望めます。また一帯にはソメイヨシノ、オオヤマザクラなど1400本の桜が植えられており、例年だと4月下旬から5月上旬に見ごろとなるそうです。
観音峠側の登り口↓
こちらは敷島口コースと言われる観音峠側の登り口。観音峠大野山線を木賊峠方向へ進んで行くと観音峠で左に分岐しています。同地点には「←茅ヶ岳」と書かれた看板があり、その横に稜線へ上っていく階段があるので直ぐに分かります。注意)観音峠大野山線は通常12月10日から4月25日まで冬季閉鎖です。以前は冬季閉鎖中でも観音峠まで車で行くことが出来ましたが、2005年ころ観音峠の手前へゲートが新設されたため現在は冬季閉鎖中に車で行くことは出来ません。

総評
当日は50人くらいの登山者と擦れ違ったと思います。ただその全てが往路で、復路においては誰とも擦れ違うことがありませんでした。また山頂に居た登山客も1組2人の方たちだけ。その方たちも直ぐに下りてしまい、あとは下山するまで誰とも遇うことがありませんでした。人気の高い山なので混んでいることも予想しましたが、意外に人けが無くラッキーだったと思います。さて登ってみての感想ですが、登山超初心者の身としては、これまでに登った山の中で最も厳しかったと思います。上りでは数え切れないほど立ち止まりましたし、下りでも10回以上の小休止を繰り返したと思います。特に上りの場合は女岩を過ぎてからの道が厳しく、運動不足の方ではかなり堪えると思います。夏場だと枝葉に阻まれるため登山道での景色は殆どありませんが、山頂に立つ360度の景色が広がり素晴らしい眺望を望めます。深田久弥氏終焉の山としても知られているので、少々大変ではありますが晴れた日にでも登ってみては如何でしょうか。
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