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360 林道侭下線 富士山の滝沢林道と吉田口登山道を結ぶ林道。
評価や閉塞感は季節によって異なります(A=良い/E=悪い/平均はC)。閉塞感は0から10で数字が大きいほど閉塞的。経緯度は大体の目安です。
延長:2802m(実測約3.1km) ダート:約3.1km 舗装路面:− 眺望:C− 爽快感:C+ E_138.467  N_35.245
幅員:2.8m 12月10日-5月上旬不可 未舗装面:C 雄大:C+ 閉塞感:3 2004年09月16日 晴
林道侭下線は林道滝沢線と吉田口登山道を繋いでいる林道で、今回は林道滝沢線から入っています。ここまでの道筋を簡単に書いておくと、国道139号で富士吉田市上吉田まで行き浅間神社の東から南へと延びる県道701号へと入ります。県道701号へ入ったらそのまま南進していくと同県道の終点で中の茶屋へと行き着きます。林道滝沢線は中の茶屋から左へと分岐しているので、約3.9キロほど上っていくと林道侭下線が右手へと分岐(写真左)しています。標高的には林道滝沢線の入り口が約1090m前後で林道侭下線の入り口が約1360m前後と思われます。初秋でも薄着ではやや肌寒さを感じますので上着を1枚余分に持参した方がいいかもしれません。※ここまでの詳しい道筋は林道滝沢線のページを参照してください。
林道滝沢線からの入り口はやや段差のある上り坂(写真左)となって南西へと延びています。しかし約50mも進むと折り返し道となり直ぐに北へと進路を転じます。当日は残念ながら雲が掛かっており見ることは出来ませんでしたが、この折り返す際には正面(写真中央)に大きな富士山を望みます。段差のある道は折り返し道となる地点までで、そこを過ぎると非常にフラットな路面(写真右)となっているので乗用車タイプの4輪でも問題はないでしょう。
林道の看板から約100m地点では左カーブとなっており西へと向かいます。ここまでの上り坂も左カーブを曲がり切ると非常に緩い勾配となり、進路も概ね富士山の山腹に沿って西へと向かいます。約100m地点の左カーブを曲がり切った約150m地点(写真左)では左へと延びる分岐路が現れます。入らなかったので何処へ続いているのかは不明ですが、こういった枝道はこの先でも数多く存在し、そのどれもにゲートがないのが特徴的です。分岐路を過ぎると(写真右)道幅は約1.5車線弱とやや狭まり勾配も殆どなくなります。ただ道が狭まるといっても落下道ではないので4輪同士の擦れ違いでも特に問題となることはないでしょう。
林道の看板から約400m地点(写真左)まで進むと道の右側にちょっとした空き地が設けられています。4輪の大型車同士の擦れ違いに用いる待避場所かと思われますが、こういった空き地は林道侭下線に於いては何ヶ所かで設置されています。約700m地点(写真右)まで進むと軽い上り坂へと転じます。周囲一帯は国立公園特別地域であると同時に陸上自衛隊の北富士演習場地域となっており、同地点には通行注意の看板や演習場内立入禁止の看板が見受けられます。
富士山の山腹を、ほぼ等高線に沿って東西に縫っている林道ですが富士山を見られる場所はそれほど多くありません。周囲は厚い樹林帯に覆われており、これといった特徴のない道が暫く続きます。林道の看板から約900m地点(写真右)まで進むと侭堀堰堤が現れてその手前を大きく右へと回っていきます。
侭堀堰堤を右へとカーブしていくと、その約50mほど先で今度は左へと曲がっていきます。そしてそのカーブを曲がり切った約1.0キロ地点では左手に支線(写真左)が分岐しています。道幅は約1.5車線ほどありそうですが、こちらも何処へ続いているのかは未確認です。そしてその支線を約50mほど進むと広い空き地(写真右)が現れます。 
ここには高さ十mほどのアンテナ塔と観測施設(写真左)が置かれており、長さ100mほどに渡って木々が伐採されています。この施設は東大地震研究所の侭下観測施設で、富士山の活動データを常時無人にて送信しているようです。なお当日はあいにく雲がかかっておりスッキリと見ることは出来ませんでしたが、同地点では観測施設を通して富士山を大きく望めます。更に空き地の先へ進むと右手へと下る支線が分岐しています。入り口は土盛り(写真中央)されていますが、道幅は約1.5車線弱ほどあり路面はフラットに見受けられます。地図上では林道滝沢線の起点近くへ繋がっているようですがこちらも未確認です。
空き地の先は完全な樹林帯の道となっており頭上まで樹木に覆われます。林道の看板から約1.2キロ地点(写真左)まで進むとやや勾配の大きい下り坂となって右へ左へとカーブを連続して曲がっていきます。しかしハッキリとした下り坂は長くは続きません。林道の看板から約1.3キロ地点まで進むとほぼ平坦な道となり、左手には3つ目の支線(写真右)が現れます。道幅は約1.5車線弱ほどでしょうか。土質の路面で左へと曲がりながら上っていますがこちらも何処へ続くかは未確認です。
林道の看板から約1.5キロ地点(写真左)からは上り坂となっていきますが勾配は大きくありません。この辺りでの道幅は約1車線強から約1.5車線弱といったところでしょうか。狭い道幅に加えて周囲が厚い樹木に閉ざされいるのでやや閉塞感が漂います。場所によっては時おり流水によるクレパス(写真右)も見られますが路面は概ね良好でセダン型の乗用車でも問題ないでしょう。
林道の看板から約1.7キロ地点(写真左)の左カーブを曲がると4度目の支線が左手へと分岐しています。この支線の道幅は約1.5車線ほどでしょうか。本線と違いやや段差のある路面がうねるようにして上っていますが、こちらも入っていないので未確認です。さて分岐点の場所を過ぎていくと直ぐに下り坂となり、約1.8キロ地点で名無しの橋(写真右)を渡っていきます。この橋は橋下に丸管を埋設しただけの小さな橋で、沢の上流部は10m四方の空き地となっており下流部は数mとなって斜面を下っています。当日に水は流れていませんでしたが雨の日などには急流となって流れ下ることが予想されます。  
林道の看板から約2.1キロ地点(写真上)まで進むと閉塞的な道から一気に開けます。同地点では大きな沢を右へと回り込んでいき、その先端では約1車線の狭い分岐路が左へと上っています。また正面には富士山が顔を覗かせており(逆光で写りませんでした)、林道侭下線では約1キロ地点の空き地に続いて開けた場所となっています。 
約2.1キロ地点の沢を回り込んでいった後の道は左へとカーブしており、そのカーブを曲がり切った約2.4キロ地点(写真左)では5度目の支線が左手へと分岐しています。この支線は唯一入っていますので最後に簡単に掲載していきたいと思います。さて約2.4キロ地点の分岐路の先は数十mという短い区間ですが急激に下っており、路面には大きな段差が目立ちます。背の低い4輪では底突きをするかもしれませんので速度には注意した方がいいかもしれません。
短い下りの区間が過ぎた後は上り坂へと転じます。上りといっても気を付けていなければ殆ど分からないほどの勾配なので平坦と言っても過言ではありません。林道の看板から約2.5キロ地点(上の写真3枚)まで進むと層の薄い樹林帯の中を縫っていきます。樹林帯なので眺望を得ることは出来ませんが、陽射しを受けた草地は綺麗な輝きを放っています。
林道の看板から約2.7キロ地点では軽い下りとなり、約2.9キロ地点(写真左)まで進むと侭下橋が現れます。橋下に水は流れておらず、深さ十数mの沢には鬱蒼とした樹林が密集しています。侭下橋の先は右カーブとなっており、そのカーブを曲がりきった約50mほど先には道の左右に対のゲート(写真右)が設置されています。林道侭下線もここまで来ると残りも僅かです。
ゲートの先はハッキリとした下り坂となっており一気に下っていきます(写真左)。それほど大きくはありませんが、ここからは路面にやや段差が目立ちます。大きめな石も転がっているので背の低い4輪では底突きに注意した方がいいかもしれません。ゲートを約150mほど下っていくと2つ目のゲート(写真右)が現れて林道侭下線(終点)の看板が立っています。同地点の標高は1435m前後といったところでしょうか。これで林道侭下線も終わったわけですが、起点から約3.1キロを走って僅か75mほどしか上っていないことをみても、如何に勾配の少ない道だったかが分かります。
林道侭下線の終点は逆Y字路型に吉田口登山道へと突き当たります(写真上は吉田口登山道から南を向いての撮影)。突き当たった場所を右へ下っていくと、約2.5キロで林道富士線が左へと分岐しており、更にそこから約900mほど下ると中の茶屋の裏手へと行き着きます。また逆に突き当たった場所を左へと上っていくと、約200mで「馬返し」と呼ばれる吉田口登山道の駐車場へと至ります。当然のことながら駐車場から先も道は続いていますが一般車輌は進入禁止です(駐車場からは東、西、南へと道が延びておりトイレもあります)。なお吉田口登山道は中の茶屋から駐車場までコンクリートで舗装化されています。※中の茶屋への道は林道滝沢線林道富士線のページを参照してください。 
以下は約2.4キロ地点の支線
さて、ここからは前述した約2.4キロ地点の支線について簡単に触れておきます。入り口は約1.5車線ほどの道ですが、暫く上っていくと約1.5車線弱ほどに狭まります。路面には大きな段差やこぶし大の石が目立ち、勾配が大きいので場合によっては4輪の2駆ではタイヤを空転させながらの登坂となるかもしれません。しかし数百メートルほど上ると路面は砂利道となって樹林帯の道も開けます。場所によっては富士の原生林を望む場所もあり爽快な景色の中を進みます。
しかしこの支線は長くは続きません。最終的には分岐して約800mほど上った崖の上(写真左)で道が途切れて終わります(車止め等の柵がないので注意しましょう)。足下は深い谷となっており、見下ろすと沢に架かる山止めダム(写真中央)を幾つか望みます。周囲は樹木のためそれほど開けているわけではありませんが、左手の斜め後方には忍野村と思われる町並みが僅かに顔を覗かせています。方角的には北東方向で、写真右に写っている山は左手前が高座山(1304.4m)で右後方が御正体山(1681.5m)ではないかと思われます。特別に素晴らしいと言うほどではありませんが、富士の山腹という独特の雰囲気が漂う場所であり上ってみるのもいいかもしれません。最終地点は7、8m四方の空き地となっているので4輪での転回も可能です。

総評
林務事務所の公表値では道幅が2.8mとなっていますが実際には概ね1.5車線弱の道が続きます。路面も入り口と出口付近を除いては概ね良好でセダン型の4輪でも大きな問題となることはないでしょう。実は当日は平日にも関わらず「キノコ採りの真っ盛り」ということで林道侭下線の中では数十台の4輪と行き交いました。特に約1.0キロ地点の広場には7台から8台の車輌が停まっており、何故かパトカー(写真左の奥の車輌)もいたほどです。行き交う車輌の多くがセダン型であり、ドライバーの中には70歳くらいの女性も運転していたほどでした。樹林帯の道なので眺望には優れませんが富士特有の雰囲気が漂います。延長は約3.1キロと短めですが、抜け林道のうえに支線も多くあるので割と楽しめるかもしれない林道です。
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